佐政水産株式会社

トップの想い

沼津のあしたをつくろう

当社は明治末期、佐藤政吉商店から出発し、初代社長佐藤政吉が昭和25年4月、 佐政水産株式会社を創立、水産物を全国に出荷し基盤を築きました。
二代目社長佐藤實郎はアジ・ムロなどを全国より集荷し、沼津のひもの加工業者に販売、現在の日本一の生産量を誇る「沼津の干物」の流通を確立させました。
この数⼗年の間に沼津港の水揚げが減少し、仲買人や干物加工メーカーも倒産や廃業が相次いでいきました。
そこで新たに2008年に加工場を竣工し、自社製品の製造・販売に取り組みました。沼津港では、巻網や定置網、釣りなど様々な漁が行われていますが、なかでも深海魚を捕獲する「底引き網漁」は100年以上の歴史があり、メヒカリやメギス、アカザエビなど脂が乗った深海魚が水揚げされてきました。
しかし地元の人にはほとんど知られず、大量に獲れると買い手がつかず、練り製品の原料などに安く回されることも多くありました。そこで、深海魚を自社加工場で冷凍や加工品にして飲食店などに販売していくと非常に評価が高いことがわかりました。 同時にこのまま水産業だけに頼っていても将来性がないと考え、2011年12月10日に「港八十三番地」と「沼津港深海水族館~シーラカンス・ミュージアム」を開業しました。飲食店では、地元の食材の使用や、地元の人が来やすいように夜22時までの営業、さらに差別化として、沼津港で水揚げされる深海魚をメニューにいれることなどを条件にして、回転寿司やバーガー、海鮮丼などを取引先に出店していただき、自社でも自分で魚を焼いて食べることができる「浜焼しんちゃん」を出店しました。当初は人通りの少なかった夜も数年後には観光客だけでなく、多くの地元の方にも来ていただけるようになりました。
ただ飲食だけでは、旅行の目的地となりにくく、沼津には有名な観光施設も少なかったため、地元の人が自慢できる、沼津が目的地になるようなものが作れないかと考え、開業したのが「沼津港深海水族館」です。深海をテーマとした水族館は世界中一つもありません。なぜなら深海生物は捕獲が難しく、また輸送も困難で、飼育方法もあまり解明されていなかったからです。しかし、日本一深い駿河湾が目の前にあり、深海魚を捕獲する漁が行われている沼津なら可能性があると考え、日本で初めての深海に特化した水族館を開業しました。深海生物はメディアにも多く取り上げられ、現在では毎年35~40万人が訪れる沼津の観光スポットとなりました。現在は、深海魚の価値も上がり、周りの飲食店でも使用されるようになり、セリの相場も上がって、魚市場や漁師さんも喜んでくれています。
また2019年には、港八十三番地を拡張し、シューティングアトラクションやイタリアンレストランやベーカリー、カフェなども開業しています。さらに地元のららぽーと沼津にもスペインの市場やNYのフードホールをイメージした「Mercado DE SAMASA」を出店しました。
沼津港と共に100年、水産業の発展に取り組んできた当社として、次の100年を目指し、さらに沼津の活性化に取り組み、働きがいのある場所と住みたくなるような地域の創生に取り組んでいきたいと考えています。
代表取締役社⻑
佐藤 慎一郎
代表取締役社⻑ 佐藤 慎一郎